世界3大稀少な石の一つアレキサンドライト。

「昼のエメラルド」、「夜のルビー」と言われるアレキサンドライトは、実に奇跡のような宝石です。

日光の下では緑色がかった青から深緑に見え、ロウソクの火に照らされるとすみれ色や深紅、赤紫色、紫色、あるいはオレンジ色に変わります。

色が変わる特徴のほかにも、クリソベリルの珍しい変種であることや、希少価値があり、耐久性が高く、ダイヤモンドのような輝きを持つことがあげられます。

ルビーやサファイアと並び、世界的に最も求められている宝石のひとつ。ジュエリー通にとって必須の宝石とも言えるでしょう。

アレキサンドライトの性質

アレキサンドライトとキャッツアイで知られる鉱物

鉱物:クリソベリル(金緑石)はアルミニウムとベリリウムの酸化物で、硬く耐久性があります。ダイヤモンドとコランダムに次ぐ硬度で、風化作用によって母岩から離れ、河川の砂礫からも採取されています。クリソベリルの「クリソ」とはギリシャ語で「金色」を意味します。クリソベリル自体は珍しい鉱物ではありませんが、アレキサンドライトとキャッツアイになる原石は稀少で大変高価です。

原石の性質が磨きを決める

クリソベリルは原石の性質によって、主に3つの宝石に磨かれます。

光源により色を変化させるアレキサンドライト、シャトヤンシーが予見できるキャッツアイ、特に減少を示さない黄、緑、茶の透明なクリソベリルです。

天然石の中でも突出する変色の幅

宝石学では、色が変わるクリソベリルをすべてアレキサンドライトと呼びます。変化する色によって名称が異なるということはありません。アレキサンドライトの色の変化は純粋な光源によるものです(純粋な自然光から純粋な白熱光、例えば太陽光からロウソクの火など)。

興味深いことに、カラーチェンジ効果はアレキサンドライトに限ったことではありません。サファイアやガーネットなど、色が変化する宝石は数多くあります。しかしアレキサンドライトが見せる色の変化の幅は、天然石の中では突出しています。

アレキサンドライトの産地

・ロシア
・インド
・ブラジル
・マダガスカル
・タンザニア
・モザンビークなど

ロシア産のアレキサンドライト

美しいアレキサンドライトが採掘される鉱山はいくつかありますが、鑑定家のあいだではロシアのアレキサンドライトが伝統的に高く評価され、羨望の的となってきました。

現在、同じロシア産のアレキサンドライトには、何千ドルという値がついています。

ウラル山脈の鉱山はほんの数十年で閉鎖されましたが、今日でもごくわずかに採掘は続いています。2006年7月、マリシェバにある地域最大の鉱山ではアレキサンドライトとエメラルドがベリリウムの副産物として採掘されています。

ともかく、ロシア産のアレキサンドライトはほとんど入手できず、幸運にも所有することのできた人は、まさに過ぎし時代の宝石の守り人といえるでしょう。

ロシア産のアレキサンドライト

インド産のアレキサンドライト

インド南東部のアンドラプラデシュに住む部族の人が、アラク峡谷で最初のアレキサンドライトを見つけたのは1996年のことです。それ以降、インド産のアレキサンドライトはロシア帝国と同じくらい波乱に富んだ歴史を歩んできました。

必要性が声高に叫ばれた採掘規制が1999年に実施されたり、海岸沿いの鉱山が2004年の津波で崩壊したりと、インド産のアレキサンドライトの歴史はまさに山あり谷ありでした。

インドのアンドラプラデシュ州ビシュナカハプトナム産のレキサンドライトはグリーンアップルの色に輝き、オレンジ・ラズベリーからグレープまでの色の変化を見せるものです。

また新しいインドの鉱山でロシア産を思わせるような豊かな色を持つアレキサンドライトがあります。最初の発見地であるビシュナカハプトナムから100キロ内陸に入った、ナルシパトナムという鉱山です。
ナルシパトナム産アレキサンドライトの特徴は、深い緑色と、鮮やかなアメジスト色からルビーの赤、そして赤紫といった驚くべき色の変化です。

アレキサンドライトは何億年も前の古生代に形成され、発見場所であるロシアのウラル地方とインドのナルシパトナムのペグマタイトは同じものであると言われています。

インドでの採掘は危険な作業で、鉱夫たちは命がけで30メートルの深さまでぬかるんだ泥を掘り、アレキサンドライトの小さなかたまりを含んだ岩を見つけ出すそうです。

インド産のアレキサンドライト

ブラジル産のアレキサンドライト

有名なブラジルのミナスジェライス州では、様々な宝石が100年以上にわたって採掘され世界中を魅了していますが、新しくヘマチタで1987年に大きな発見がありました。ペグマタイトを含む多くの鉱山の例にもれず、ブラジルのアレキサンドライトは、近寄るのが困難な起伏の激しい場所で発見されています。

採掘方法は原始的な手掘りが主流です。例外として有名なのはヘマチタ鉱山ですが、ここの美しいアレキサンドライトは現在ではごくわずか。ブラジル産アレキサンドライトの多くはインクルージョンがありますが、少量ながら質の良いものも採掘されています。

2004年、ブラジルで新たなアレキサンドライトの鉱脈が発見され、青緑色から魅力的なラズベリー色に変化するアレキサンドライトが出ています。ヘマチタ産の最高品質のアレキサンドライトは、世界のどこで産出されるものにも負けません。

ブラジル産のアレキサンドライト

そのほかの地域で採れるアレキサンドライト

マダガスカルやタンザニア、モザンビークの鉱山でも、ここ数年、良質のアレキサンドライトを生産しています。アフリカ産のアレキサンドライトは川のそばなどの湿った土地にあるのが特徴で、手で川床を掘り、アレキサンドライトを多く含む沖積層を取り出すという方法で採掘されます。

およそ90年のあいだ、アレキサンドライトの産地はロシアとスリランカに限られていました。多くの鉱山ではペグマタイトからアレキサンドライトを取り出すのに対し、スリランカで沖積した土砂から取り出されるアレキサンドライトは、日光の下では上品なサファイアのような緑色に輝き、白熱光の下では赤紫のスピネルに似たオダマキのような赤に変わるのが特徴です。

タンザニア産アレキサンドライトの原石

モザンビーク産のパライバトルマリン

まとめ

稀少石・アレキサンドライトはいかがでしたでしょうか。

アレキサンドライトは「金緑石」とも呼ばれており、結婚45年の記念である「金緑婚式」にアレキサンドライトを贈ることがあります。大切な人と共に長い年月を重ねてきたことで、出会ったころとは違った一面も見えてきたことでしょう。それは2つの輝きを放つアレキサンドライトにも通じるものがあります。45年目の証にアレキサンドライトをプレゼントし合うのもいいですね♪

アレキサンドライトの希少性はダイヤモンドをも遥かに凌ぎます。

最初の発見地はロシアのウラル鉱山ですが、19世紀中ごろには閉山しており、それ以後も鉱脈は発見されたものの、数年で鉱石が枯渇しています。

21世紀に入って、「ブラジル」「インド」「スリランカ」などで産出されていましたが、2021年現在では良質のものはほぼ採り尽くしたとみられています。

現在の主な産出地はアフリカの「マダガスカル」「タンザニア」「モザンビーク」などです。

いずれの産出地も、産出量がわずかのため、アレキサンドライトの希少性は今後も変わらないでしょう。

気になる価格ですが、産出される多くが1カラット未満なため、1ctを超える高品質なアレキサンドライトにはダイヤモンド以上に高額で取引されます。

大粒のものだと原石の状態でも1,000万円を超えることもあるそう。

出逢えたらお買い求めのチャンスかもしれないですね♪