トルマリンの語源は「灰をひきつける」という意味のシンハリ語に由来し、結晶自体に極性を持っています。 日本名「電気石(でんきせき)」の通り、地球上に存在する鉱物の中で唯一、永久に微弱電流を発生するという特性をもった石です。トルマリンのうち、宝石となるものは大部分がエルバイト(リチア電気石)です。トルマリンの結晶は柱上が多く、含まれる元素の微妙な違いにより、多彩な色が産出します。

そんなトルマリンを解説させていただきます!

トルマリンについて 

トルマリンの最大の特徴は、色が豊富であることです。ピンクやグリーン、赤、青、透明、オレンジなど様々な色があり、その種類は宝石の中で最も多いとも言われています。

トルマリンは主にブラジル、モザンビーク、アメリカが産地となっています。モース硬度は7~7.5と硬めの宝石であることも特徴です。

トルマリンの石言葉は「希望」「無邪気」「友情」「心の広さ」「潔白さ」などがあります。トルマリンを持つことで、前向きな気持ちになれたり、穏やかな気持ちになることができるでしょう。

トルマリンの結晶は大きく、ジュエリーに使用される美しいものは大量に採掘されるわけではありません。結晶が大きいため、結晶軸に沿って長方形にカットされることが多いのです。 トルマリンの結晶が産出されるのは、花崗岩質ペグマタイトの鉱脈で、ブラジルのミナスジェライスの宝石鉱山地区、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴ郡、そしてケニア、タンザニア、モザンビーク、マラウィ、マダガスカル、ナイジェリアといったアフリカ東部の国々で採掘されています。 トルマリンはひとつの鉱物グループです。トルマリンの中でもメジャーなものはほとんどがエルバイト(イタリアの西海岸近くにあるエルバという島で発見されてこの名がついた)という種類で す。「エルバイト」は通常はグリーントルマリンのことを指し、他の色のエルバイトは、その色に関係する個別の名前がついています。

ザンビアのルンダジ地域産の、明るい黄色のトルマリンは「カナリアトルマリン」と呼ばれています。 トルマリンの中には、ごくまれにキャッツアイ効果が見られるものがあります。シャトヤンシーとも呼ばれるこのキャッツアイ効果とは、反射によりジェムストーンの表面に一条の明るい光がさして見えることで す。 すべてのトルマリンは多色性といって、見る角度によって色が変わる性質があります。この色の変化はそれぞれの石によって違います。変化がほとんど分からないものもあれば、はっきりと分かるものもあります。それぞれの石の最高の色を見せるために、カット職人たちはファセットカットをする際に十分考慮しているのです。

トルマリンの主な生産地とそれぞれの特徴

トルマリンの主な産地はブラジルですが、19世紀以降はアメリカのメーン州やカリフォルニア州をはじめ、ロシア、マダガスカル、モザンビークなどでも産出されています。

それでは、トルマリンの主な産地ごとに採掘される石の特徴などについてご紹介しましょう

ブラジル産のトルマリン

世界で最もトルマリンの産出量が多いというミナス・ジェライス州では、さまざまな色のトルマリンが産出されています。

代表的なものは、グリーン・トルマリン

エメラルドやペリドットとはまた違う、爽やかな美しい緑色のトルマリンです。

天然のピンク・トルマリンも産出されますが、若干茶色を帯びたワインカラーのような色味が多いようです。

青と緑を混ぜたような色をした、別名「インディゴライト」と呼ばれるブルー・トルマリンも産出されています。

インディゴライトは、色の濃さが邪魔をしてグリーン・トルマリンより透明度は高くありませんが、より希少性が高いものだと言えます。

また、パライバ州で1989年に発見され、その後数年間産出されたネオンブルーとグリーンの「パライバトルマリン」は一番高価な石ですが、残念ながら現在は採掘されていません。

ブラジル産のグリーントルマリン

モザンビーク産のトルマリン

モザンビークでは、ピンク・トルマリンも産出されますが、一般に知られているのはネオンブルーとグリーンの「パライバトルマリン」です。

ブラジル産のものと比べると薄いブルーの石が採掘されることが多いのですが、中にはブラジル産に近い高品質の石も含まれており、これらは高値で取引されています。

モザンビーク産のパライバトルマリン

アメリカ産のトルマリン

アメリカではカリフォルニア州やメーン州でトルマリンが採掘されますが、カリフォルニア州では希少な透明のトルマリンが採掘されます。

一方、メーン州で産出される石は、ブラジル産のように茶色を帯びたものではなく、ミントグリーンなどのパステルカラーの石が多く産出されています。

アメリカ産のトルマリン

多彩な色で私たちを魅了し続けているトルマリンの代表的な種類と価値

グリーントルマリン

エメラルドと間違われることが多かったのがこのグリーントルマリンです。
トルマリンの中でも1番多く出回っています。
黄色味がかったグリーンもあれば、青味がかったグリーン、濃いめのグリーンなど一言でグリーンといっても色味に幅があり、エメラルドとは違った色の魅力があります。
色味の幅は含有されている鉄分により変化します。

高品質と言われるグリーントルマリンは、透明度が高く、青みがかったグリーンになり、逆に黒っぽく暗い緑はあまり価値は高くありません。

グリーントルマリンの大きな特徴として、光の吸収が方向によって変わる多色性を持っていることがあります。
見る角度によっては明るいグリーン、他の角度から見ると青味がかったグリーンというように、どの角度から見ても魅力的な色を示すものが最も価値が高いとされています。

グリーントルマリン

ピンクトルマリン

ピンク色をしたトルマリンでパワーストーンとしては恋愛運をアップさせてくれるので、ピンク色と相まって女性に人気があります。
濃い赤味のあるピンクのものから茶色がかった薄いピンクまで幅があり、トルマリンにしか見られない色合いも多いです。
基本的に透明度があり濃いピンクを示すものほど価値が高く、茶色味があるものは価値が低くなります。

アメリカ産ピンクトルマリン

ルベライト

ルベライトの官能的な色の取り合わせは、誘惑の象徴です。他にこれほどのセンスを感じさせる色は見られません。情熱的なピンクから挑発的なパープルまで、ルベライトはレッド系の豊かな色合いで完璧なロマンスを演出します。

またルビーと間違われることが多かったのがこのルベライトです。
別名「レッドトルマリン」とも呼ばれています。

赤色のトルマリンで、赤味のあるピンクから紫がかった赤など色味に幅があり、女性に人気があります。
一般的にインクルージョンがありますが、これはルベライトを発色させるマンガンが成長中の結晶を傷つけてしまうからで、赤味が強ければ強いほどインクルージョンが多くなってしまいます。
そのため、透明度が高く鮮やかな赤色のルベライトは非常に価値が高くなります。
逆に赤が濃すぎて暗くなってしまうと価値が低くなります。

バラシェイプのルベライト

インディコライトトルマリン

インディゴライトは産出量が少なく藍色をしたトルマリンです。
後ほどご紹介するパライバトルマリンが発見されるまでは、トルマリンの中で一番価値がありました。
緑がかった青色もあれば、藍色っぽい濃い青色などさまざまな色があります。
その中でも、ほとんどは緑がかった青色で、純粋な濃い青色は希少です。
そのため、純粋な濃い青色ほど高品質と評価され、価値が最も高いとされていますが、残念なことに大きなサイズが発見されることはほとんどないようです。
また、グリーントルマリン同様に多色性を持っています。明るいものから深いものまでさまざまなブルーが見られるインディゴライトトルマリンは、希少性が高く高品質で、収集価値が高いものです。

インディコライトトルマリン

パライバトルマリン

トルマリンの中で最も価値があるのがこのパライバトルマリンで、宝石の中で最も価値があるとも言われています。
カラーも多彩でブルーやグリーン、パープルなどがあり、ブルーといっても緑がかったブルーや青味を帯びたグリーンなどがあります。
この美しい色は、マンガンと高濃度の銅によって発色しています。

以前は、ブラジルのパライバ州で産出されていましたが、近年ではほとんど産出されなくなってしまいしました。
2000年以降、ナイジェリアやモザンビークでパライバトルマリンが採掘されるようになりましたが、ほとんどが薄いブルーのため、パライバ産の「ネオンブルー」と呼ばれる色彩に比べると若干見劣りしてしまいます。
そのため、今後はパライバ産のパライバトルマリンは今以上に高騰していくとみられます。

パライバトルマリン

バイカラートルマリン

同じものは二つとない、自然が生み出したユニークなトルマリンになります。

通常1つの宝石に対して1つの色が存在しますが、バイカラートルマリンは2つの色を有しています。
その多くはピンクとグリーン系の2色ですが、他の色の組み合わせもあります。
また、1つで3色以上のトルマリンもあり、トリカラートルマリンやパーティーカラートルマリン、パーティーカラードトルマリンと呼ばれています。

この現象は、結晶の環境変化によって起こると言われています。
色を発色させる鉄やクロム、銅、パナジウムなどが時間がずれて取り込まれていくことによって形成されるのです。
バイカラートルマリンで価値が高いものとして、発色性が良く、傷が少なく、鮮明な色で2色に分かれているもので、色がボヤっとして分かれ目の分かりにくいものは価値が低くなります。

バイカラートルマリン

ウォーターメロントルマリンの原石

まとめ

トルマリンはカラーバリエーションが豊富で、1つのトルマリンに2色存在したり、ウォーターメロントルマリンのように変わったトルマリンもあり、トルマリンの中でも非常に価値が高いモノやそうでないモノもあります。そのためコレクターがいるぐらい非常に面白く魅力的な宝石です。
この先、まだ見つかっていない新種のトルマリンが見つかる可能性もあるのではないでしょうか。
ダイヤモンドやルビー、サファイア、エメラルドに比べるとご存じの方は少ないと思いますが、手に取りやすいトルマリンもありますので、この他とは違った魅力のある宝石トルマリンをこの機会のぜひ覚えていただき、手に取っていただければと思います😊