目の覚めるようなブルーやバイオレットのオーロラを見せるタンザナイトは、人気があるのもよく分かります。ここ数年の需要は急上昇していて、カラーストーンの中ではサファイア以外の売上高を追い抜きました。ダイヤモンドの千倍は希少性が高く、鉱床の寿命もわずか十年程しか残っていないため、タンザナイトは今世紀人気のジェムストーンです。

タンザナイトの歴史

近年人気の宝石、タンザナイトが初めて発見されたのは1967年です。アフリカのタンザニアの北部にあるメレラニ地方で、マサイの部族民が偶然発見したという説があります。

ブルーサファイアと類似していることから、最初はサファイアの鉱床を発見したのだと期待されていました。しかし宝石学者がその結晶を調べたところ、青色に変化したゾイサイトであることがわかります。つまりタンザナイトとは、ブルーゾイサイトを指すのです。

タンザナイトが見つかってから、しばらくは価値を認められませんでした。しかしニューヨークにあるティファニー・アンド・カンパニーが美しく鮮やかな色の結晶の価値を見いだし、主要な販売業者となったことで、一気に注目を浴び世に知られることになったのです。

ゾイサイトの中でブルーからバイオレットの色合いをもつものがタンザナイトなのですが、発見された当時はそのままブルーゾイサイトと呼ばれていたそうです。

それがなぜタンザナイトという名前になったのでしょうか。

命名したのは当時のティファニー社の社長ヘンリ・B・プラット氏だといわれています。

「ゾイサイト」が「スイサイド(自殺)」の発音に似ていることから、宝石には不適切と考えたそうです。

そこで、産地であるタンザニアにちなんで、タンザナイトと名付けたとか。

とても素敵なネーミングですよね。

今ではエメラルドやルビー、サファイアの三大カラーストーンと肩を並べるくらいに人気の宝石です。

タンザナイトの特性

タンザナイトは多色性のある宝石として有名です。角度を変える度に無色透明に見えたり、青や紫が強くなったりします。タンザナイトはもともと褐色のゾイサイト。商品化する過程で、熱処理によって青から紫色に改変します。

マサイの部族民が最初に見つけたとされる天然のブルーゾイサイトも存在しますが、きわめて珍しい状態と言えるでしょう。さらに多色性の特性を生かしてカットすることで、青色から青味がかった紫色までのさまざまな色が出る場合もあります。

現在多く流通しているのは、比較的安価に手に入りやすい淡い色のタンザナイトですが、最も価値があるのは、彩度が高くやや赤寄りの紫色です。また色だけではなく、結晶の中にインクルージョン(内包物)がないものや、カットのクオリティが高いもの、カラット数の大きいものが一般的に高く評価されます。

また、タンザナイトは硬度が6~7と低く、欠けやすいのが難点です。リング以外、もしくはカボションカットを選ぶのが賢明です。

品質の評価

タンザナイトの品質評価に欠かせない四つのファクターがあります。色、彩度/明度、透明度そしてカットです。品質評価用マスターストーンから分かるように、色の濃い紫青色はタンザナイトの最も理想的な色です。基本色にどれほどの青紫味が含まれるかによって、タンザナイトの多様な美しさを楽しめます。彩度の最も高いものはExceptional(極めて鮮やか)と評価され、Good以上のものを重視すべきです。自然光ですでに紫色が強く見られるものは避けたほうが良いでしょう。タンザナイトは内包物が少なく、一般的に透明度が非常に高いため、パビリオン側にモディファイド・ステップ・カットが採用されれば、テーブル面から見たときにきらきらとした鮮やかなモザイクパターンが良く見えて、独自の繊細な魅力があります。

また、タンザナイトの魅力の一つである多色性がはっきりしていることも重要です。

細かいカットがされているほうが光の反射が綺麗ですが、様々なカットがあるのでお好きなものを選びましょう。

比較的大きい結晶で見つかることが多いといわれており、カラットが大きくなっても極端に価格が上がることは少ないです。指輪では3カラット以上のものが、価値が高いと判断されます。

タンザナイトの産地

タンザナイトは、東アフリカのタンザニアのキリマンジャロの麓にあるメレラニ鉱山でしか採れない、さらに採取量もかなり少ないため、ダイヤモンドよりも希少性の高い宝石です。

原石は、地下1200mで採掘されていると聞きます。岩脈をダイナマイトで砕いて地上に運ぶのだとか。

原石は母岩の中にあるので、ハンマーを使って手作業で切り分ける必要があるそうです。

母岩にはツァボライトが共存していたり、ルビーを抱え込んだ緑色のゾイサイト(ルビーインゾイサイト)が見つかることもあります。

2020年にはタンザニアで史上最大のタンザナイト原石発見し、発見者はなんと鉱山のオーナーであるライザーさん!

世界最大級のタンザナイト原石の一つ

最初の原石は9.27kg、2番目は5.103kgです!

このタンザナイトはタンザニア鉱山省に77億4400万タンザニア・シリング(約3億6000万円)で売却し、ライザーさんは2000頭も飼育している牛のうち1頭解体して発見を祝うほか、原石の売却で得た資金で地元のシナンジロ地区に投資する計画とのことです。

そしてなんと!この最大のタンザナイトが発見された翌月、またライザーさんが6.3㎏のタンザナイトを発掘したそうです!こちらもタンザニア鉱山省に売却し、日本円で約2億1000万円になったそう。

なんとライザーさんは短期間で5億6千万円手に入れたということになりますね!

一石で2色が楽しめるバイカラータンザナイト

タンザナイトにもバイカラーのものがあるのはご存知でしょうか。

バイカラーとは一つの石の中に2色が分け入っていることをいいます。

ゾイサイトは、微量な金属イオンを含むことで、様々な色に変化すると考えられています。

バナジウムが多いとブルーになり、クロムが多いと紫色や緑色に、そしてマンガンが入ると赤色、チタンは褐色から黄色に変化するそうです。

これらの金属イオンが絶妙に溶け合って、2色や3色の石になるといわれています。

バイカラーのタンザナイトは、ひとつひとつが特別なオンリーワンです。

カットする場所によって配色が変わるので、まったく同じものが無いのだそうです。

まとめ

タンザナイトは先にもお伝えした通り、硬度が6~7とあまり頑丈ではありません。

劈開(へきかい)性と呼ばれる、一定の方向に割れやすいという性質もあります。

硬度の低い石には特有の柔らかく暖かい光がありますよね。タンザナイトの光はしっとり柔らかく、優しく感じるので、そこがタンザナイトの魅力だったりするのかなって思います。

ぜひタンザナイトを手に入れて、様々な光によって変化する独特の色と光を楽しんで下さい!