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世界3大稀少石
「世界三大〇〇」と言えば、何を思い浮かべるでしょうか?
「世界三大美術館」と言えば、ルーヴル美術館・エルミタージュ美術館・メトロポリタン美術館、
「世界三大夜景」と言えば、香港・函館・ナポリ・など、様々な「世界三大〇〇」があります。
今回は世界三大希少石についてご紹介します。
No.1 アレキサンドライト
お初にお目にかかりますって方もいるかもしれません。
アレキサンドライトの特徴は、何と言っても昼と夜の光によって色が変化する変色性のあるところです。
夜に蛍光灯の光を当てると暗赤色、昼はエメラルドのようなグリーン色になります。
名前の由来は、ロシアのウラル鉱山で発見され、大変珍しい宝石であったことと、
発見されたその日が、皇太子アレキサンドルⅡ世の誕生日であったことから、
「アレキサンドライト」と名付けられました。
真珠やムーンストーンと同じく、6月の誕生石でもあります!!

アレキサンドライト
アレキサンドライトの性質
鉱物種としてはクリソベリルとなり、硬度はダイヤモンドとコランダムの次の8.5で、優れた靭性を持ち、衝撃で割れる性質を示す「劈開」がありません。日常生活でリングやペンダントに付けられる最適な宝石です。
青緑色系スペクトルの強い太陽光(または蛍光灯の明かり)の下では青緑色を示しますが、赤色系スペクトルの強い白熱灯や蝋燭の明かりの下だと色が鮮やかな赤色に変わります。これは微量に含有されているクロムの影響で、光源によって石に吸収されるスペクトルが大きく異なるためです。
1975年には人工合成に成功し商業生産もされてはいますが、合成宝石自体にあまり人気がないのでその量はわずかで、しかも製造コストが高くつくためほとんど市場には出回りません。
人工合成石は、レーザー脱毛向け医療用レーザー装置の媒質としても使用されています。
アレキサンドライトの産地
最大の産出国はブラジルです。
透明度、変色性ともに上質のものがまれにみられるそうです。暗緑色ではなく青みを帯びた緑色に変色するものには、特に高価な価格がついています。
その他の産地としてはインド、マダガスカル、スリランカなどが挙げられます。通常3カラットを超えるようなアレクサンドライトが発見されることは極めてまれですが、スリランカではなんと60カラット(12g)近いものが発掘されたこともあるそうです。
5カラットを超える大きなアレクサンドライトは、そのほとんどがロシアのウラル山脈産だそうです。
NO.2 パライバトルマリン
こちらもお初の方もいらっしゃると思います。
それもそのはず。パライバトルマリンは非常に歴史の浅い宝石で、発見されたのは1987年。蛍光性の強い他の宝石とは比べようのない鮮やかなブルーを持った宝石です。そしてその浅い歴史の中で、すでにブラジルの2つの鉱山が幕を閉じています。
年々産出量が減っていることもあり、幻の色石とも呼ばれます。27カラットで1700万円、4.434カラットの指輪が1300万円ほどの価格になります。
パライバトルマリンの性質
トルマリンとよく似た性質で、硬度7~7.5、衝撃で割れる性質を示す「劈開」がありません。
人々を魅了してやまない、ネオンブルーの色因は、含有する銅によるものです。マンガンに起因する石もありますが、より銅が多く含まれている方が、美しいネオンカラーを放ちます。
インクルージョンの入りやすい宝石でもあり、大きな結晶もほとんど産出されません。サイズが1ctを超えるものは、非常に稀です。
透明感が高く、大粒の宝石は滅多になく、憧れのエレクトリックブルーの宝石と出会えると、感動の瞬間となるでしょう。
またパライバトルマリンの原石はとても古い地層で発見されていることから、何千万年も前に地中で生成したものだと考えられています。
そして近年は産出が限られ、パライバトルマリンの値段は高騰を続けています。
天然の資源でもある宝石、特に美しい大粒のパライバトルマリンは地球が生み出した 神秘の結晶といえるでしょう。
パライバトルマリンの産地
パライバトルマリン産地;ブラジル、モザンビーク、ナイジェリア
↓ブラジル産のパライバトルマリンの特徴↓
1.多量の銅を含有することから、独特のネオンブルーを発する
2.色が比較的濃い
3.インクルージョンが多い
4.宝石品質で大粒のものが産出されにくいため、0.3ct程度でも発色が良く透明度が高いものは少ない

ブラジル産のパライバトルマリン
↓モザンビーク産のパライバトルマリンの特徴↓
1.銅の含有量がブラジル産に比べて少ない
2.色は比較的薄い
3.サイズが大きく透明感も高い

モザンビーク産のパライバトルマリン
ナイジェリア産のパライバトルマリンの特徴はモザンビークと似ていますのて割愛します。

ナイジェリア産のパライバトルマリン
No.3 パパラチアサファイア
以前サファイアの解説をさせていただいた際に少し触れたパパラチアサファイアになります。
サファイアには様々なカラーがあります。数あるカラーの中でも最も希少で高い評価を得ている石がパパラチアサファイア。「サファイアの王」と称されています。
「パパラチア」とはスリランカのシンハリ語で「ハスの花」を意味します。ハスの花に似ていることから名づけられました。
パパラチアサファイアの色はオレンジがかったピンク色です。その色の範囲よりもピンクが強ければピンクサファイア、オレンジが強ければオレンジサファイアとなります。パパラチアサファイアとして認められるには非常に狭い色範囲です。そのため産出量が非常に少なく、とても希少な宝石となっています。
パパラチアサファイアの性質
サファイアと同じ性質で硬度9、衝撃で割れる性質を示す「劈開」がありません。
色合いはクロムイオン、結晶構造の変化がその色素要因ですが、色相の幅が広く、ザ・パパラチアカラーのボーダーラインが分かりにくく、少しの彩度、明度の違いでパパラチア認定から外れてしまう難度高めのサファイア。
基本的にライト~ミディアムトーンのピンクとオレンジが混ざった石がパパラチアカラーと呼ばれますが、実際は茶色や黄色味、パープルサファイアのような色合いを持つ石も少なくありません。
なお2カラット以上の石はレアで、サイズ感を最大限に出す為にもオーバル、クッション、エメラルドカットなどに研磨される傾向があります。
パパラチアサファイアの産地
主な産地はスリランカ、マダガスカル、タンザニアです。
ピジョンブラッドがミャンマー産以外の産地でも判定されるように、パパラチアサファイアに関しても産地がモンタナ、マダガスカル、ベトナム産などの石も上記基準を満たせばパパラチア判定は出ます。
しかしながら純潔主義と言いますか、スリランカ産のみをパパラチアサファイアと認定すべきという声も根強いのは事実ですが
近年、マダガスカルでも産出されるようになったといわれており、市場にも出回っています。
またタンザニアのソンギアでもオレンジピンクのサファイアが見つかっているそうですので、
「パパラチア=スリランカ産」ではありません。
まとめ
世界三大稀少な宝石いかがでしたでしょうか。初めて知った石の名前もあるでしょう。
世界三大稀少石はとても貴重名宝石なので、宝石愛好家からもとても人気があります。
今まで種類がわからなかった宝石が実は価値の高い稀少石だった!なんてこともあるかもしれないですね。
ちなみに実際パパラチアサファイアを見に行ったのですが、個人的にはピンクがかったものよりもオレンジがやや強い方が好みってことが分かりました。(購入はしていませんが。。。)
またいつ稀少な宝石たちに出逢えるかわからないですが、出逢えることが楽しみです😊